ガス給湯器の寿命はどのくらい? 故障のサインはどんなもの?

ガス給湯器は、私たちの生活になくてはならない住宅設備です。その一方で、急に故障してしまうことも決して珍しくありません。いきなり給湯器が故障した場合、生活に重大な影響が出るでしょう。ガス給湯器の急な故障を防ぐためには、日ごろのメンテナンスはもちろんのこと、給湯器の平均寿命や寿命が近づいているときに現れる症状などを知っておくことが大切です。

今回は、給湯器の平均寿命や寿命が近づくと現れる症状について解説しましょう。

  1. ガス給湯器の寿命は?
  2. ガス給湯器の故障のサインは?
  3. ガス給湯器を修理・交換する際の注意点は?
  4. 給湯器の寿命に関するよくある質問

この記事を読めば、ガス給湯器を交換する際の注意点なども分かります。ガス給湯器を使っている人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.ガス給湯器の寿命は?

この項では、カス給湯器の寿命などについてご紹介します。ガス給湯器は使い方によっては寿命が伸びたり縮んだりすることもあるのです。

1-1.ガス給湯器の平均的な寿命は?

ガス給湯器の平均的な寿命は10年から15年と言われています。部品の摩耗や基盤の故障で寿命を迎える場合が多いでしょう。丁寧な使い方をすれば20年近く使用できる給湯器もありますが、メーカーでは通常、発売後10年で部品の製造が終了します。ですから10年以上たった給湯器が故障した場合は、修理ではなく取り換えになることが多いでしょう。

1-2.ガス給湯器の寿命を長持ちさせるには?

ガス給湯器は使えば使うほど部品が摩耗します。ですから、お湯をたくさん使う家ほど、ガス給湯器の寿命は短くなるでしょう。

また、ガス給湯器は燃焼する際にたくさんの空気が必要です。室内など空気を十分に取り入れられない場所に設置されていたり、目隠しなどで空気の流れを遮られてしまうと寿命が短くなるかもしれません。逆にガス給湯器に取って最適な場所に設置されていると寿命が延びる可能性が高いです。

さらに、ガス給湯器には容量があります。小さなガス給湯器を長時間使って大量にお湯を沸かし続ければ、どうしても寿命は短くなるでしょう。家族が増えたり広い浴槽に買い替えたりした場合は、給湯器も一緒に替えると寿命が伸びます。

1-3.8年を過ぎたら一度定期点検を

ガス給湯器に使われている基盤や部品は消耗品です。賃貸物件に備えつけてあるガス給湯器の場合は、住人が変わるたびに点検をすることが多いでしょう。しかし自前でガス給湯器を購入した場合は、壊れるまでメンテナンスをしたことがないというケースも少なくありません。

ごく普通の使い方をしていても、ガス給湯器を設置して5年以上がたてば部品は摩耗していきます。ですから使い始めて8年を超えた給湯器は、一度業者に点検してもらいましょう。10年以上放っておくと、部品が摩耗していても替えがないということもあります。

ガス給湯器の寿命は10~15年なんですね。
はい。ただし、あくまでも目安であり、それよりもっと前に寿命が訪れることもあります。

2.ガス給湯器の故障のサインは?

この項では、ガス給湯器の寿命が近づいているときに現れる症状などを紹介します。

2-1.お湯の温度調節がうまくいかない

ガス給湯器が故障する直前の症状として最もわかりやすいのが、温度調節機能が働かなくなることです。使っているうちに急にお湯が水になったり、熱湯が出たりする場合は基盤や部品が壊れかけているサインでしょう。できるだけ早く業者に見てもらってください。

なお、このような症状はしばらく時間を置くと直っている場合があります。しかし、これは一時的なものですから、放っておいて完全に直ることはありません。注意しましょう。

2-2.給湯器から異音がする

給湯器を使っている際に、「ごとごと」などの異音がしても故障のサインです。異音がするということは部品が摩耗して、本来触れ合わないはずの部品が触れ合って起きる場合が多いでしょう。これも放っておくと基盤が壊れる原因になります。聞きなれない音がする場合は、念のために給湯器を確認してください。

2-3.エラーコードが多発する

現在の給湯器の多くは、異常が出ると液晶リモコンにエラーコードがでます。一度エラーが解消してもすぐに別のエラーが出る場合は、寿命が近い可能性が高いでしょう。

2-4.ガスの臭いがする

寿命が近くなると給湯器から微量なガスが漏れ、給湯器周辺にガスの臭いが漂うことがあります。このような場合、すぐに給湯器の使用を止めて修理業者に点検をしてもらいましょう。

2-5.給湯器の周りにススがついている

ススは、不完全燃焼を起こしたときに発生します。不完全燃焼が起こっていると、一酸化炭素中毒が発生する可能性もあるので、至急点検が必要です。

2-6.点火するまで時間がかかる

給湯器からお湯が出るまでに時間がかかるようになると、寿命が近い可能性があります。特に、1分以上たたないとお湯が出なくなった場合は点検が必要です。

ガス給湯器の故障のサインはいろいろあるんですね。
はい。このようなサインが出たら、至急業者に給湯器の様子を確認してもらいましょう。

3.ガス給湯器を修理・交換する際の注意点は?

では最後にガス給湯器を修理、交換する際の注意点をご紹介します。ガス給湯器は条件によってはすぐに交換できない場合もあるのです。

3-1.冬はガス給湯器が故障しやすく交換に時間がかかる

ガス給湯器の故障は夏よりも冬のほうが多くなっています。やはり冬のほうが給湯器を使う機会が多くなる分、故障する頻度も上がるのでしょう。ですから、冬は修理を頼んでも、業者の手が回らずに時間がかかることもあります。10年近く給湯器を使っているお宅は、秋口に一度点検をしてもらうとよいでしょう。冬にお湯が使えないのは、予想以上につらいものです。

3-2.設置場所によっては交換に時間がかかることもある

住宅の形状によっては、ガス給湯器が特殊な場所に設置してあるところもあります。このような場合は配管の延長工事などが必要ですから、設置に時間がかかるでしょう。ですから、家を建てる際にガス給湯器を特殊な場所に設置したという場合は、よりこまめな点検が必要です。ガス給湯器を設置してくれた店と定期的に連絡を取り合い、何かあったらすぐに来てもらえるようにしておいてもよいでしょう。

3-3.おかしいなと思ったら早めに点検に来てもらう

前述したように、ガス給湯器は調子が悪くなっても時間がたつと回復することがあります。しかし、これをくり返して完全に壊れてしまうこともあるため、「直ったらいいや」と放置しないことが大切です。特に、7年以上使っている給湯器に異常が現れた場合、業者に点検してもらいましょう。

条件によっては、すぐに修理や点検ができないこともあるんですね。
はい。ですから、給湯器の調子がおかしい場合は早めに業者に点検を依頼しましょう。

4.給湯器の寿命に関するよくある質問

この項では、給湯器の寿命に関する質問を紹介します。

Q.給湯器の寿命が短くなる使い方はあるでしょうか?
A.常に給湯器の容量いっぱいのお湯を使い続ければ、寿命は短くなりがちです。使っていてお湯が足りなくなることが多い場合は、1つ上のサイズに付け替えるといいでしょう。

Q.給湯器の寿命を延ばすための注意点はありますか?
A.給湯器の周りを囲って酸素の供給を邪魔すると故障しやすくなるでしょう。給湯器は通気性のよい場所に設置してください。

Q.給湯器を交換する場合、熱源を変えることは可能ですか?
A.可能ですが、工事が大がかりになります。ですから、熱源を変えたい場合は業者とよく話し合って計画を立てましょう。

Q.給湯器が交換になった場合、交換にかかる時間はどのくらいですか?
A.同じサイズ・同じ熱源の給湯器に交換する場合は、数時間あれば可能でしょう。ただし、設置しにくい場所にある場合は、もう少し時間がかかります。

Q.ガス給湯器と比べて、電気給湯器や石油給湯器は寿命が長いのでしょうか?
A.いいえ。給湯器の熱源によって寿命に極端な差はありません。

まとめ

今回は給湯器の寿命や寿命が近づくと現れる症状について解説しました。給湯器は、必ず故障の前兆が出るとは限りません。しかし、前兆が出たときにすぐ対処すれば「いきなり故障した」という事態を防げます。おかしいなと思ったらすぐに業者に連絡できるよう、業者の連絡先を控えておくのもおすすめです。