給湯器の設置場所でお悩みの方! 屋内・屋外別に詳しく解説!
給湯器があると、いつでもお湯を使うことができて便利です。特に家族が多い場合や、冬場には重宝することでしょう。しかし、給湯器を導入したくても設置場所に悩むものです。
そこで今回は、給湯器の設置場所について詳しく解説します。また、業者選びのコツも触れているので実用的ですよ。
この記事を読むことで、給湯器の設置場所を決定するための基礎知識が身に付きます。導入時に最適な場所を選ぶために役に立つ内容ですから、最後まで読んでみてください。
1.給湯器の設置について
最初に、給湯器の設置の基本を学びます。設置基準や関連法令についても理解しておきましょう。
1-1.設置方法について
給湯器の設置方法で主なものは、以下を参考にしてください。
- 屋外設置(壁掛型・据置型)
- 屋内設置(FE型・FF型)
- パイプシャフト設置
- 浴室内設置
1-2.設置基準や法令について
給湯器は、どこに置いてもいいわけではありません。給湯器は、安全に使用するために法律によって設置場所に制限があります。ガス事業法(ガス給湯器の場合)・建築基準法・消防法などの関連法令に従って、設置してください。詳しい内容は、業者に確認しましょう。
2.給湯器の設置場所について
給湯器の設置場所についての基礎知識を学びましょう。種類ごとの違いや重要性・一戸建てとマンションの違いなど、詳しく解説します。
2-1.給湯器の設置場所について
給湯器を導入するためには、設置場所を考える必要があります。ガス給湯器の場合は、以下の基準を満たす場所に設置してください。
- 給湯器よりそれぞれ、(上方)排気口より300ミリ以上・(前方)600ミリ以上・(後方)10ミリ以上のスペースを設ける
- 給湯器の前方に熱に弱い素材(プラスチックなど)があるときは不燃断熱材で保護すること
- 窓のない場所に設置することが望ましい
- 窓の近くに設置する場合は、建物開口部から(上方)300ミリ以上・(側方・下方)150ミリ以上は離す
2-2.給湯器の種類による設置場所の違い
給湯器の種類・サイズや排気方法によっても、適する設置場所が異なります。まずは、希望する給湯器の詳細をチェックしてみましょう。たとえば、集合住宅では十分なスペースがないため、屋外設置の据置型が向かない場合があります。寒冷地では、室内設置の方が望ましい場合もあるのです。
2-3.設置場所の重要性を学ぼう
給湯器は、ガスなどの力でお湯を沸かす機械です。安全に使用するためには、規定の条件を満たす必要があります。無理に設置すし、放熱ができなくなると過熱による事故の恐れがあり、危険です。また、うまく配管できないと給湯器を設置すること自体が不可能になります。給湯器は設置場所をきちんと考える必要があるのです。
2-4.一戸建てとマンションの違いを理解しよう
一戸建ては、給湯器の設置場所を選びやすいものです。一戸建てでは、家の外部に据置型として設置するケースが多くなります。しかし、マンションでは設置スペースに制限があるため、屋外設置でも壁掛型を選ぶことが多くなるでしょう。また、設置スペースが十分に取りにくいことから、給湯器のサイズにも制限が出る場合があります。マンションの場合は、設置スペースを考えてコンパクトタイプを選ぶなどの工夫が必要です。
2-5.給湯器の設置場所にかんする注意点
給湯器の設置場所は、プロのアドバイスを受けて決定しましょう。十分なスペースを確保できていると思っていても、実際には基準に満たないこともあります。また、寒冷地(北海道地区など)指定がある地域で屋外設置するときは、「寒冷地仕様」の給湯器を選んでください。通常使用のものを設置すると、外気温に耐えることができず、故障の原因になります。
3.給湯器の設置場所をもっと詳しく
給湯器の設置場所について、より詳しく解説します。設置場所ごとに知っておくべきことを学んでください。
3-1.屋外設置
家の外部に給湯器を設置する方法です。屋外設置には、壁掛型と据置型の2つの方法があります。壁掛式は、建物の壁面を利用して設置し、給湯器の下側から配管を出す方法です。据置型は、給湯器本体を地面に置き、側面から配管を出します。
3-2.屋内設置
給湯器本体を屋内に設置する方法です。屋内設置には、FF式とFE式の2種類があります。FF式は、外気から空気を取り込み、排気ガスを屋外に排出する方式です。FE式は、室内から空気を取り込み、排気ガスを屋外へ排出します。
3-3.パイプシャフト設置
マンションの玄関横などにあるパイプスペースに設置する方法が、パイプシャフト設置です。設置スペースが狭く、給湯器の種類によっては、排気管の方向も考えることになります。設置する給湯器のサイズが限られるため、導入の際には特に注意してください。
3-4.浴室内設置など
従来は、バランス式風呂がまと呼ばれるタイプ主流でした。しかし、現在では、壁貫通式風呂給湯器が主流になっています。バランス式風呂がまは、浴槽と風呂がまを並んで設置するため、小さな浴槽になりがちでした。しかし、壁貫通式風呂給湯器は、給湯器を風呂がまに内蔵することで浴室内を広く使うことができます。
3-5.特殊保守製品とは?
特殊保守製品とは、長期使用製品安全点検制度で指定のある9製品のことです。長期仕様製品安全点検制度は、平成21年に施行になった消費生活用製品安全法で設置されています。目的は、経年変化による重大な事故を防ぐためです。
- 屋内式ガス瞬間湯沸器(都市ガス用・LPガス用)
- 屋内式ガス風呂がま(都市ガス用・LPガス用)
- 石油給湯器
- 石油風呂がま
- 密閉燃焼式石油温風暖房器
- ビルトイン式電気食器洗機
- 浴室用電気乾燥機
3-6.設置場所に関するその他のこと
給湯器の設置場所を決めるときは、できるだけ直射日光が当たらないことも重要なポイントです。紫外線は、給湯器の部品の劣化スピードを速めます。また、海辺に近い地域では、塩害を防ぐことも重要です。屋外設置をするときは、十分に注意してください。塩害対策仕様の給湯器を選ぶことをおすすめします。
4.給湯器の設置・交換業者の選び方
給湯器の設置や交換は、信頼できる専門業者に依頼しましょう。ここでは、業者を選ぶときのポイントや相談窓口・注意点など詳しく解説します。
4-1.業者を選ぶポイントを学ぼう
給湯器の設置・交換を依頼するためには、以下の条件を満たす業者を選んでください。
- 給湯器の設置・交換実績が豊富にある
- 多種類の給湯器を取り扱っている
- 依頼者の状況・希望に合わせて提案できる
- 給湯器の代金・工事費用がリーズナブル
- 希望の納期に合わせてくれる
- トラブル対応力がある
- アフターサービスが充実している
4-2.トラブル対応力のある業者を選ぼう
給湯器に何らかの不具合が出たとき、すぐに原因を見極め、最良の対応ができる業者を選びましょう。トラブル対応力は、経験と知識の量に比例します。長年の信頼と誠実さで評判の業者なら、トラブル対応力も高いものです。いざというときに大きな差となるので、業者選びのときには特に重視してください。
4-3.アフターフォローが充実していることも重要
お湯が思うように使うことができない生活はとても不便です。しかし、給湯器は使用頻度が高いため、故障しやすいとも言えます。そのため、不具合が出たときのためにアフターフォローが充実している業者を選んでおきましょう。すぐに対応してくれる業者なら、より安心です。また、特に問題がなくても、定期メンテナンスサービスを受けることができれば大きな不具合を未然に防ぐこともできます。
4-4.給湯器の設置や交換の相談窓口
給湯器の設置や交換は、信頼できる業者に相談するといいでしょう。まずは、業者の「問い合わせ窓口」などに連絡してください。相談するときには、以下のポイントをまとめておくと便利です。
- 希望する給湯器のタイプ
- 給湯器の設置で不安な点
- 大体の予算
- 希望納期
- 使用中の給湯器で不満がある点(交換の場合)
- そのほかに聞いておきたいこと
4-5.給湯器の業者に関する注意点
悪徳業者によくあるのが、高額な給湯器を売り付けておいてアフターサービスをまったくしないことです。購入するときまでは愛想が良かったのに、設置が終わると態度が急変するような業者には注意しましょう。高額な大容量の給湯器をやたらすすめてくるなど、依頼者の状況や希望を無視する業者もいます。少しでも違和感を覚えたときは、契約を見合わせてください。嫌な思いをしないためにも、業者選びを慎重に行うことが大切です。
5.給湯器に関するよくある質問
最後に、給湯器の設置場所についてよくある質問に回答します。実際に多くの人が疑問に思う内容ですからそれぞれしっかり確認しておきましょう。
Q.給湯器の寿命は何年ですか?
A.給湯器の寿命は、約10年です。10年経過しないうちに故障することもあります。特に使用回数が多い場合は、寿命が早くなるものです。寿命を迎えた給湯器は、事故のリスクが高まるため、早めに交換しましょう。なお、給湯器の性能も年々上がっています。交換をいい機会として、いろいろな機種を検討してみるといいでしょう。
Q.給湯器でよくある故障の内容は?
A.よくある故障は、以下のようなものです。
- お湯がぬるい
- お湯がまったく出ない
- 水漏(も)れしている
- 操作パネル・リモコンが反応しない
- 異音・異臭がする
- 電源が入らない
異常を感じたときは、給湯器の使用説明書を見ながらひとつずつ確認してください。直らないときは、業者に連絡して修理・交換を検討しましょう。
Q.屋外設置を希望するときに注意することは?
A.給湯器を使うときには、騒音が発生します。隣家と十分な距離がない場合(集合住宅など)は、設置場所に注意しましょう。隣家の寝室に近い場所に設置すると、騒音で苦情が来ることがあります。できるだけ、騒音被害が少ない場所を考えてください。なお、静音型の給湯器を選ぶこともひとつの方法です。
Q.設置基準に満たない場合のリスクは?
A.給湯器の設置基準に満たない場所では、不具合が起こる可能性が高くなります。たとえば、ガス給湯器では不完全燃焼が起きるリスクが高まり、危険です。不完全燃焼を起こすと、一酸化炭素中毒になり、最悪の場合には命にかかわります。そのほかにも、機器の故障・過熱状態による周辺設備への影響なども心配です。給湯器は、必ず設置基準を満たした状態で使用してください。
Q.ガス給湯器のメリットは?
A.ガス給湯器は、給湯能力の高さが魅力です。特に、大家族など大量のお湯が必要になる場合には、ガス給湯器が重宝するでしょう。また、初期費用もほかの方式(電気式など)より安く付くこともメリットと言えます。ガス給湯器に詳しい業者に相談すれば、最適な機種を選ぶことができるのでおすすめです。
まとめ
今回は、給湯器の設置場所について詳しく解説しました。給湯器の導入で満足するためにも、設置場所のことまできちんと考えておきましょう。設置場所を決めるときには、給湯器の種類や建物の条件を考えて慎重に検討してください。実際には、信頼できる業者に相談することをおすすめします。豊富な経験と知識によって、どんな設置場所がいいか適切なアドバイスをもらえるはずですよ。