給湯管の交換時期・方法・費用をチェック! 交換作業の依頼先は?

「給湯管はいつ交換するのがベストなのか?」「不具合が起きているときに交換したほうがいいの?」など、給湯管の交換で悩んでいる方が多いでしょう。給湯管は永久的に使えるものではないため、不具合が起きる前に交換するのがベストです。また、不具合や故障の症状が出てきたときも、なるべく早めに交換しなければなりません。良きタイミングで交換できれば、急な故障を未然に防ぐことができます。

本記事では、給湯器の交換タイミングと方法を解説していきましょう。

  1. 給湯管の種類と寿命は?
  2. 給湯管の交換はいつ行うべきか?
  3. 給湯管の交換工事のやり方は?
  4. 給湯管の交換に関してよくある質問

この記事を読むことで、給湯器のベストな交換時期と方法が分かります。悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

1.給湯管の種類と寿命は?

給湯管とはどのようなものなのでしょうか。生活に必要不可欠な給湯器に欠かせない管だからこそ、基礎知識を習得しておくのも大切なポイントです。それでは、給湯管の種類と寿命を解説します。

1-1.給湯管は水道管の一種

水道・給排水設備に使われる配管材料には、さまざまな種類があります。水道には上水と下水の2種類があるように、配管材料も給湯管(給水管)と排水管の2つに大きく分かれるのです。給湯管は、名前のとおり、お湯を供給する際に使用される配管材料のことで、用途によって多くの種類に分かれます。給湯管の主な種類は、次の項で説明しましょう。

1-2.給湯管の主な種類をご紹介

さまざまな種類がありますが、下記に代表的な種類と特徴をまとめました。

  • ステンレス:ステンレス製の管で、耐久・耐食・耐熱性ともに優れている
  • 合成樹脂管:架線ポリエチレン管とポリブデン管の2種類があり、可とう性と施工性が抜群
  • 耐熱塩ビ管(塩化ビニル管):耐熱・耐食・耐薬品性に優れ、軽量なので施工性も抜群
  • 耐熱塩ビライニング鋼管:耐熱性があり、鋼管の内側に塩ビ管を密着させている。加工性に優れ、機械的強度が強い
  • ポリエチレン粉体ライニング鋼管:耐寒性に優れ、リサイクル可能な配管
  • 銅管:銅を材料として製造された金属管。耐食・耐熱性に優れ、サビにも強い

1-3.主流となっているのはサビに強い銅管

現在、給湯管としてよく使われているのは銅管です。前述したとおり、銅管は銅を材料として製造された金属管で、耐食・耐熱性に優れています。鉄管や樹脂管よりも熱やサビに強い特徴があるため、水道管に適している種類といえるでしょう。しかし、給湯管として使用されている銅管でも、デメリットがあります。デメリットに関しては、次の項で詳しく説明しましょう。

1-4.銅管の問題点は腐食と工事の手順

サビに強い特徴を持っている銅管でも、局部腐食によりピンホールが生じやすいデメリットがあります。ピンホールとは、針でつついた程度のごく小さい穴のことです。実際、局部腐食による水漏れトラブルがよく報告されています。また、銅管を接続する際は、熱で溶かしたはんだによって接合するはんだ付けを行う必要があるのです。そのため、工事に手間がかかるのも問題点の1つといえます。

2.給湯管の交換はいつ行うべきか?

給湯トラブルを未然に防ぐためには、給湯管の交換を適切なタイミングで行う必要があります。では、一体どのようなタイミングで交換を行えばいいのでしょうか。それでは詳しく説明します。

2-1.平均的な交換時期は条件によって異なる

正直なところ、給湯管は管の材質・使用箇所・水質などいろいろな条件で異なるため「○年に交換したほうがいい」とは断言できません。一般的に、15~20年周期で交換するケースがほとんどです。しかし、酸化銅の欠落部があると局部腐食が起こり、早ければ6~7年で漏水を起こすことがあります。また、給湯器には給水管・ガス管が同時に接続されていますが、先に不具合を起こすことが多いのは給水管です。そのため、給水管を定期的に点検し、更新時に不具合があれば交換するのがベストといえるでしょう。

2-2.交換すべきタイミング、症状をチェック!

水道管からサビ混じりの赤っぽい水が出てくる場合は、交換の必要があります。ほかにも、水がサビくさい・給湯器から水漏れが起きている・流れが弱くなっている場合も交換すべきタイミングでしょう。できれば、早めに修理業者を呼び、点検してもらったほうが安心です。また、地域の水道水によっても、注意しておきたいポイントがあります。水道水中のミネラル分が多い地域の場合、水道管内にミネラル分が付着し詰まりやすくなるのです。ほかの地域よりも配管の交換時期が早まる可能性があるため、心当たりのある方は注意しておきましょう。

2-3.給湯管を放置すると水道水が汚染される

確実に、給湯管の中は汚れていくため、水道局からキレイな水が供給されても蛇口から出る水が汚くなってしまいます。サビまみれになった真っ赤な水道水を使いたくはないですよね。サビだけでなく、メンテナンスと交換を放置するとそれらに付随する細菌や微生物が付着するおそれもあります。私たちの健康被害はもちろんのこと、部分的な漏水などトラブルも起こりやすくなるのです。さらに、配管の老朽化を早めるきっかけにもなります。異変や症状が見られた際には、なるべく早めに対応したほうがいいでしょう。

3.給湯管の交換工事のやり方は?

それでは、給湯管の交換工事はどのようにすればいいのでしょうか。ここでは、DIYできるか、交換工事の流れなどについて解説します。

3-1.DIYはできるがおすすめしない

自分で給湯管を交換する場合、モンキーレンチ・パイプレンチ・ドライバー・ペンチなど必要な道具を用意すれば、DIYでも可能です。給湯器から配管を取りはずし、新しい配管をつなげるだけなので、少し心得がある方なら交換できるでしょう。ただし、実際にやってみると結構大変な作業です。特に、古い銅管の場合、接続部分がサビている可能性もあるため、簡単に取りはずすことができません。無理に作業を進めてしまえば、給湯器の故障の原因につながります。水が噴き出したりと大変なことになるので、DIYではなく多少費用が高くなっても専門業者へ依頼したほうが安心です。

3-2.交換工事の主な流れ

まずは、給湯管がどのような状態なのか現場をチェックすることになります。現状をきちんと把握してから、適切な方法で交換しなければなりません。また、古い給湯器の場合は、配管工事と一緒に給湯器本体を新しく買い替えるという選択肢もあります。買い替えの場合は、古い給湯器から配管を取りはずし、新しい給湯器と一緒に設置することになるでしょう。給湯器の不具合や不調などのトラブルは、配管が原因になっていることもあります。具体的な交換工事に関しては、状況等で異なるので事前に確認しておきましょう。

3-3.交換費用はいくらぐらいか?

給湯管の工事費用は、現場の状況や劣化具合・業者などによって、約6,000~17万円と大きく異なります。破損の修理なら1~3万円、漏水処理なら1~4万円程度になるでしょう。また、新しく使用する管の種類によっても費用が変わるので要注意です。たとえば、銅管よりも価格が高いステンレス管へ交換する場合、相場よりも費用が高くなるでしょう。ただし、ステンレス管自体は半永久的に機能を果たすメリットがあるので、費用対効果があります。具体的な費用に関しては、業者へ無料見積もりを依頼してください。

3-4.業者選びのポイントをチェック!

どの業者へ給湯管の交換を依頼すべきか悩みがちです。そんなときは、以下のポイントを押さえた上で、複数の業者を比較してください。比較することで、より良い業者に依頼できるでしょう。

  • サービス内容が充実している
  • 給湯器交換や修理対応の実績がある
  • 最新式の給湯器種類がそろっている
  • 料金体系がハッキリしている
  • 無料見積もり・無料相談を受けつけている
  • 有資格者などプロフェッショナルが工事を行っている
  • 口コミ・評判がいい
  • 工事保証が充実している

3-5.悪徳業者に要注意!

業者の中には、「見積書とは違う料金を請求された」「工事後に再び水漏れが起きた」など、不正を働くところが存在しています。近年、業者との間でトラブルが相次いでいるため、不安要素を遺したまま契約しないようにしてください。疑問を感じた時点で、直接業者に尋ねることが大切です。丁寧に受け答えをしてくれる業者なら安心して依頼できますが、適当に受け流すようなところは悪徳業者の可能性があるので注意しましょう。もし、業者とトラブルになったときは、すぐに消費者センターへ相談してください。

4.給湯管の交換に関してよくある質問

給湯管の交換に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.銅管の劣化が速くなるケースとは?
A.水道水のミネラル配分が大きく関係していますが、無理な配管の接続も劣化が速くなる原因の1つです。特に、多いのが悪徳業者による不良施工となります。通常は無理な配管はしません。管が変形するような配管を行い、管同士の間隔もあけず重ねて交差させる業者がいるのです。管が曲がっていてもお湯は通常どおり出ますが、膨張・収縮をくり返し、いずれ穴が開くことになります。だからこそ、きちんと正しい施工を行っているか、業者選びが大切なポイントなのです。

Q.マンションで交換を行う際の注意点は?
A.マンションの場合は、管理規約によって配管のリフォームや移動が難しいケースがあります。構造によっては問題なく配管リフォームができることもありますが、交換前に管理会社または管理人へ一言伝えなければなりません。共有部分を通っている配管については、個人でリフォームを行うことはできないので注意してください。

Q.給湯管のメンテナンス頻度は?
A.給湯器の耐用年数が10~15年といわれているため、同じタイミングで給湯管の状態もチェックすることをおすすめします。自分でできるメンテナンス方法としては、水漏れしていないか、配管がサビていないか目で確かめられる方法です。道具を使用し自分で修理や交換をしないようにしてください。目でチェックしてみて「おかしいな」と感じたときは、なるべく早めに業者へ相談しましょう。早い段階で対処したほうが、症状も軽く費用も抑えることができます。

Q.マンションで起きやすい配管トラブルは?
A.築年数が30~35年のマンションは、ほとんどが金属管の配管材料を使っています。そのため、腐食やサビが発生し、漏水や詰まりなどのトラブルが起きやすいのです。異変が起きたときは管理会社または管理人に連絡しましょう。交換の際は、金属管よりも長く問題なく使用できる樹脂配管材料などへの交換をおすすめします。

Q.なぜ銅管に穴が開きやすいのか?
A.経年劣化が多いのですが、潰食(かいしょく)と呼ばれる現象が原因の場合もあります。潰食とは、銅管の表面上を保護している皮膜が気泡や乱流によって物理的に削られる銅管特有の現象です。銅管そのものが悪いのではなく、管経が細すぎたり、乱流が生じやすい状態だったりと、設計・施工上に問題がある可能性があります。この場合は、銅管の交換だけでなく、状況も考慮して適切な工事を行わなければなりません。業者へ依頼する際は、事前に現場をきちんと確かめてくれるか、業者選びのポイントと一緒に確認しておきましょう。

まとめ

給湯管の種類や使用状況によって異なりますが、一般的に約15~20年周期で交換を行うのがベストです。ただし、銅管よりも優れている樹脂配管材料の場合は、20~30年周期と交換の間隔が短くなります。費用は高めですが、長く安心して使いたい方は、交換する新しい配管材料にも注目しましょう。個人で判断しにくい場合は、給湯管交換の実績がある業者へ相談してください。事前に現場をチェックしてくれる業者なら、適切な施工を行います。給湯器を安心して使うためにも、給湯管のメンテナンス・交換を忘れずに行いましょう。