ガス暖房にはどんな種類があるの? 冬に知りたい暖房器具の選び方!

年の瀬も近づき、日本は急激に寒さを増しています。寒さ対策と言えばストーブやファンヒーターなどの暖房器具ですよね。石油や電気を使ったものが一般的ですが、実はガス暖房も根強い人気があります。しかし、一口にガス暖房と言っても、さまざまな種類があって選ぶのが大変でしょう。

そこで今回は、ガス暖房の特徴と種類などについてご紹介します。

  1. ガス暖房の5つの特徴と種類
  2. ガス暖房選びに重要な5つのポイント
  3. ガス暖房に関するQ&A

この記事を読むことでガス暖房の特徴や種類など、知っておくと得になる情報を知ることができます。暖かくて快適な冬を送るためにも、ぜひお付き合いください。

1.ガス暖房の5つの特徴と種類

まずは、ガス暖房の特徴や種類など、基礎知識を学んでいきましょう。

1-1.ガス暖房の特徴って何?

1-1-1.早く暖まる

ガスは石油(灯油)に比べて着火が早く、すぐに熱を放出します。電気と比べても熱効率が高いため、部屋を早く暖めてくれるでしょう。

1-1-2.部屋が乾燥しにくい

ガスは燃焼する際に水蒸気を発生させます。そのため、部屋が乾燥しにくいのが大きな特徴です。乾燥肌やお子さんのいる家庭などにおすすめします。

1-1-3.ランニングコストが安い

電気暖房器具に比べてランニングコストが安いのも特徴として挙げられます。特に電気暖房器具と比べるとランニングコストは段違いです。

1-1-4.補給の手間がない

灯油を使った暖房器具は日本で最も普及している暖房器具ですが、灯油を補給する手間があります。また、備蓄している灯油が切れれば、灯油販売業者の巡回を待つかガソリンスタンドなどに買いに行かなければいけません。その点、ガスなら常にホースから供給されているので、補給の手間が不要で楽です。

1-1-5.火災のリスクが少ない

灯油の暖房器具は燃料補給時にキャップを閉め忘れることなどが原因で火災が起きるリスクがあります。ガスなら補給場所をいじる必要がないので燃料漏れのリスクは高くありません。また、ガスが漏れていると独特の臭いがあるのですぐに分かります。

1-2.電気・石油との違いとは?

電気系暖房器具はコンセントに挿すだけで使えるお手軽さが特徴です。一方、暖める能力やランニングコストなどでは石油・ガスに及びません。
石油系暖房器具は最もポピュラーな暖房器具なので、非常に多くのメーカーが製品を出しています。選択肢が広いのがメリットでしょう。また、ガスと比べてもランニングコストが安いのも特徴です。ただし、前述したように点火と暖まるまでの時間がかかります。早く暖める能力ではガスに軍配が上がるでしょう。

1-3.ガス暖房の種類について

ガス暖房は大きく分けて直火式と温水式があります。それぞれの違いを押さえましょう。

1-3-1.直火式

直火式はガスを燃焼させた熱を直接利用する構造のことを言います。ガスストーブやガスファンヒーターが代表的です。

1-3-2.温水式

温水式はガスの燃焼によって温めた温水を使って間接的に部屋を暖める構造のことを言います。床下暖房やセントラルヒーティングなどが代表的です。

1-4.温め方の方式について

1-4-1.対流式・温風式

対流式とは、ガスの燃焼によって暖めた温風を使って暖める方式です。この方式の暖房器具は一般的に「ファンヒーター」と呼ばれます。3つの暖房方式の中で最も早く暖めることのできる暖房方式です。ただし、風が出るため、常にホコリが舞い上がってしまうのが難点でしょう。

1-4-2.輻射式(ふくしゃしき)

輻射式は「赤外線」を利用して暖める方式のことを言います。輻射式は対流式とは違って風を出しません。ホコリをまき散らすことがないのでどんな場所にでも使えます。ただし、対流式に比べると部屋を暖めるのに時間がかかるのが難点です。代表的なものはコタツ・オイルヒーター・ハロゲンヒーターなどが挙げられます。

1-4-3.伝導式

伝導式とは発熱物体に接することで暖める暖房方式のことです。代表例には床暖房が挙げられます。床暖房は電気式が一般的ですが、ガス温水式も人気です。直接体に熱が伝わるので、暖かさを感じやすいのが特徴となります。また、対流式や輻射式だと室温は暖かいのに床が冷たいままということもありますが、このデメリットを補ってくれるのもうれしいポイントです。伝導式は単体で使うだけではなく、ほかの方式の暖房器具と組み合わせるのをおすすめします。

2.ガス暖房器具選びに重要な5つのポイント

ガス暖房を導入したくても、どうやって選べばいいのか分からない方も多いはずです。そこで、この項目ではガス暖房を選ぶ際のポイントをご紹介します。

2-1.家族構成を考える

たとえば、子供のいる家庭では火傷(やけど)の危険があるので、安全性の高い床下暖房やガスファンヒーターなどが良いでしょう。年配の方など、温風が苦手な方はガスストーブがおすすめです。

2-2.部屋の広さや構造

一般的に、暖房器具にはどのぐらいの部屋の広さに対応しているか記載されています。たとえば、使用する部屋が8畳なら、8畳以上用のものを使うようにしましょう。また、木造か鉄筋コンクリート造かなどによっても暖房性能が変化するため、場合によってはそれぞれの造りに対応する部屋の広さについても併記されていることがあります。

2-3.コストと快適性

少ない費用で最も効率よく暖められるのはガスファンヒーターなどの対流式です。それに比べ、伝導式は熱効率的には良くありません。しかし、床暖房を代表とする伝導式暖房は部屋の快適性を高めるという点では非常に優れています。コストか快適性か、自分の重視するのはどちらなのかを考えて選びましょう。

2-4.デザイン

たとえば、クラシックな北欧風の部屋に、現代的なファンヒーターではちぐはぐになってしまいますよね。そこで、暖炉型のデザインをしたものを導入すればお部屋の雰囲気を壊すことがありません。最近はニーズに合わせてさまざまなデザインの製品が販売されています。お部屋のイメージに合わせて選んでみるのも1つの選び方です。

2-5.即効性

前述したように、暖房器具の方式によってお部屋の暖まるスピードは違います。たとえば、非常に冬の厳しい地方では即効性が非常に重要となるでしょう。即効性を考えるなら、ファンヒーターが最適と言えます。

また、意外と伝導式もおすすめです。たとえば温水床暖房は暖まるまでに時間がかかりますが、代わりに一度温めてしまうとそのまま付けっぱなしでもあまりガスを消費しません。むしろ、こまめに消すより24時間付けっぱなしの方がガスを節約できる場合もあります。これは、冷え切った温水を40℃~60℃まで上げるより、40℃~60℃の温度で保つ方が効率がいいからです。そのため、常に部屋を暖めたままにしておくことができます。起床時や帰宅時などにすぐ暖まれるのは非常に大きなメリットでしょう。

3.ガス暖房に関するQ&A

Q.電気や石油と比べて安全性はどうですか?
A.一般的には電気製が安全とされています。石油やガスは一酸化炭素中毒の危険性がありますが、電気にはないからです。とはいえ、現在のファンヒーターなどには必ず不完全燃焼防止装置が組み込まれているので中毒の危険性はありません。どの方式の暖房器具も安全性はしっかりとしています。

Q.ガス暖房器具は自分で設置可能ですか?
A.ガスの配線をしなければいけないので、基本的には業者に頼むことになります。自分で行うこともできますが、安全性を考慮してガス会社等に依頼してください。

Q.ガス暖房器具はどこで購入すればいいのですか?
A.家電量販店などに行くと、ガス暖房器具は電気・石油系の暖房器具に比べて圧倒的に品ぞろえが少ないと思います。小さな店などでは売っていないことも珍しくはありません。これは、前述したように自力で設置するのが困難なためです。ですので、ガス会社やガス会社系列の販売店などから購入しましょう。

Q.プロパンガスでも都市ガスでもどちらでも使えますか?
A.もちろん、どちらでも使用可能です。ただし、都市ガスに比べてプロパンガスはコストが高いので注意してください。

Q.ガス暖房器具はどこにでも設置可能ですか?
A.ガスホースとつないで使うので、使用できる場所は限られています。配線のない場所には使えないので、気軽にほかの部屋で使うことはできません。

まとめ

今回はガス暖房の種類などについてご紹介しました。ガスを使った暖房は熱効率が高く、早くお部屋を暖められるのが特徴です。また、一度設置してしまえば燃料を入れる手間がありません。床暖房などに関しては24時間付けっぱなしにすることもできます。寒さが本格化する前に、今回ご紹介した情報を参考にして、ガス暖房を導入してみてはいかがでしょうか。